踊ろうマチルダ

2019年9月6日、踊ろうマチルダの活動休止が発表された。バンドではなく釣部修宏氏のソロプロジェクトなので解散や引退でなく活動休止という形の発表だが、事実上バンドでいうところの解散というニュアンスが強いのだと思う。本人のコメントなどを見ていたので驚きはしなかったが、最新アルバムの内容がすごく良かっただけに残念だった。

2013年は個人的に自分の音楽人生にとって大きな転機となった年だった。プライベートでのゴタゴタから解放された後、自由の身となり都内のライブハウスなどにちょこちょこライブを観に行っていた。そこでチャラン・ポ・ランタンに出会いハマり追いかけていたそんな時、家でYouTubeでチャランポの動画を漁っておるとトム・ウェイツのInnocent When You Dreamのカバー動画が関連動画に上がってきていた。そこでチャランポの小春をバックに従えた踊ろうマチルダを初めて観た。一発で魅了された私は彼の声、曲に大きく興味を持つとすぐにこのアーティストのライブを観たくなった。Webで探すとなんと1週間後に渋谷のクアトロでワンマンライブがあるという。チケットもまだあったのですぐに購入し観に行った。一人だけの弾き語りライブだったが、そこで奏でられていた音楽は自分にとっての理想的な音楽だった。静かなステージングだが時間が進むごとに熱を帯びていって最後には本当に胸が熱くなりこの風変わりなアーティストに夢中になっていった。この時は知らなかったが東京でのワンマンライブをあまりやる人ではなくこのライブ後3年間は東京でワンマンが行われる事はなかったので実にタイミングが良かったのである。

この後は入手できる音源は全て買い、自分自身も色々な曲をカバーのカバーも含めカバーさせてもらった。ギネスの泡とともに、踊ろうマチルダ、スクリーミング、ロンサムスイング、マリッジイエロー、古き良きロマン、ナンシーウィスキー、化け物が行くなどなど。

音楽性はアイリッシュが中心だが、時にはバロック音楽だったり、ゲーム音楽だったりの影響を感じさせ、音楽性は幅広い。それでいて統一性がありソングライティングが素晴らしく、日本人の我々に分かりやすく良さが伝わる音楽を作ってくれる稀有なアーティストだと思う。

今までの経緯を見ても、釣部修宏のソロ名義でスタートし、ナンシーウィスキーなどのバンドを経てこの踊ろうマチルダとしてのソロプロジェクトをやってきたのだ。だから今後もなんらかの形で音楽活動してくれると思うので今後の釣部修宏氏に勝手ながら期待したい。

とりあえずこのプロジェクトを終える踊ろうマチルダにお疲れ様とありがとうを言いたい。またいつか素敵な音楽を聴かせてください。

batsuoandichiko

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